洗濯動線・収納・家族のタイミング──意外と見落とされる“暮らしのリアル”をプロ目線で紹介!
「洗面所と脱衣室って、なんとなくお風呂の横にあるもの…」
そう思っていませんか?
でも実は、洗面脱衣室こそ“後悔が多い”空間なんです。
・洗濯動線が悪くて毎日ストレス…
・収納が足りなくてごちゃごちゃ…
・家族とかち合って気まずい…
私はこれまで、1級建築士としてたくさんの住宅の図面や実際の住まいを見てきました。
そして、「ここ、もっとこうしておけばよかった」という声が一番多かったのが洗面脱衣室なんです。
SNSで見るような素敵な間取りも、家族構成や生活スタイルが違えば
“うまくいかないこと”が出てくるのは当然のこと。
この記事では、実際の現場経験をふまえて
✅ 洗濯動線
✅ 収納の配置
✅ 家族の動線や生活リズム
など、後悔しない洗面脱衣室づくりのポイントを解説していきます。
これから家を建てる方はもちろん、リフォームや間取り改善を考えている方も、
「そうそう、ここが気になってた!」という発見があると思います。
後悔しやすい洗面脱衣室の間取り7選
洗面脱衣室は毎日使う大事な場所。なのに「なんとなく」で決めてしまい、後悔する人がとても多い空間でもあります。
家事動線、収納、家族の使うタイミング、プライバシー…。見落としがちなポイントが意外と多く、あとから「こうすればよかった」と気づくケースも少なくありません。
ここでは、1級建築士として実際に見てきた“後悔されやすい洗面脱衣室の間取り”を5つご紹介します。これから家づくりやリフォームを考える方は、ぜひ参考にしてください。
① 洗濯動線がバラバラで効率が悪い
洗濯機の前で洗い、ベランダ(外)まで干しに行き、別の部屋にしまう…。
この「洗う・干す・しまう」の動線がチグハグだと、毎日が小さなストレスの連続に。
共働き家庭やワンオペ育児中のママにとっては、
たった1歩の移動でも積み重なると大きな負担になります。
🛠 建築士のアドバイス:
洗濯動線は「直線」か「回遊式」にするとスムーズです。
たとえば、洗面脱衣室から室内干しスペース → ウォークインクローゼットに一直線、
または回遊動線でぐるっとつながると「家事が楽しい」空間になりますよ。
② 脱衣と洗面が一体化して混雑・気まずい
「お風呂のすぐ前に洗面台がある」間取り、よくありますよね。
でも、家族の生活時間がかぶると渋滞・気まずさが発生します。
・お父さんが脱衣中なのに、子どもが歯みがきに来て気まずい
・朝の洗顔・ヘアセットの時間がぶつかってバタバタ
🛠 建築士のアドバイス:
朝風呂派の方、朝の身支度の時間が家族と被る方は脱衣室と洗面台は「空間を分ける」ことをおすすめします。
最近では「洗面台だけを玄関ホール側に出す」などの設計も人気です。
脱衣室は“個室感”をもたせることで、家族も来客も快適に使えます。
③ 収納が足りない or 使いにくい
「広さは確保したのに、使いにくい!」
洗剤、タオル、下着、ヘアケアグッズ、掃除用具…洗面脱衣室には意外とモノが多いんです。
ありがちなのが、奥行きがありすぎて使いにくい収納棚や、
収納の位置が悪くて“出したまま”になってしまうケース。
🛠 建築士のアドバイス:
収納は「何を」「どこで」使うかを先に決めるのがポイント。
・お風呂の横にはバスタオル
・洗濯機の上には洗剤
・ドライヤーや化粧品はメイクスペース近くに
…と“動線とセットで考える”ことで、自然に片づく空間になります。
④ コンセントが足りない&場所が悪い
ドライヤー、アイロン、洗濯乾燥機、除湿機…。
洗面脱衣室は家電の出入りが多い場所。コンセントの位置や数が原因でプチストレスを感じることも。
「ドライヤーのコードが届かない」
「タコ足配線が危ない」
「洗濯乾燥機を置いたらコンセントが隠れた」
🛠 建築士のアドバイス:
設備の設置場所を具体的に決めてから、必要な場所に、必要な数のコンセントを配置しましょう。
「上部に1口」「腰高に2口」など、将来の使い方も含めてイメージしておくと安心です。
⑤ 来客時に使いにくい
来客に手洗いを案内したとき、リビング横にある洗面台が“脱衣室の奥”だったら…。
ちょっと案内しにくいですよね。
また、家族だけなら良くても、お年頃の子どもがいると脱衣室と洗面一体型の間取りはストレスになることも。
🛠 建築士のアドバイス:
洗面台は“家族も来客も使う場所”と考えておくのがポイント。
玄関近くやトイレの横に独立した洗面コーナーを設けると、暮らしやすさも印象もぐんとUPします。
⑥洗濯機と洗濯物を干す場所が遠すぎる
洗濯動線が長いと、それだけで毎日の家事がストレスになります。
特に「洗濯機は1階、干す場所は2階ベランダ」などの配置だと、重い洗濯物を持って階段を上がる負担が大きく、雨の日や子どもを抱えているときはさらに大変です。
洗濯→干す→たたむ→しまう、という家事の一連の流れをスムーズにするには、動線の短さと連続性がカギになります。
🛠 建築士のアドバイス:
- アイロンやたたみ作業ができる家事カウンターや作業台を置くと、より快適な“洗濯動線”に!
- 洗濯機近くに室内干しスペースやランドリールームを設ける
- 干した洗濯物をすぐ収納できるようにファミリークローゼットを併設する
⑦洗面台で予算を削ってコンパクトにしたら狭すぎた
「洗面台は毎日使うけど、スペースがないから小さいものでいいか」と考えて、幅60cmの洗面台を選んだ結果…
朝のラッシュ時に家族が並べない、鏡が小さくて使いにくい、洗面ボウルが小さくて水がはねる、といった後悔が意外と多いです。
特に兄弟がいる家庭では、洗面台前が“争奪戦になることも。
🛠 建築士のアドバイス:
- 洗面台は“家の顔”でもあるので、デザイン性も含めてトータルで検討を
- 家族が同時に使うことを想定して考えてみてください。できればダブルボウルタイプも検討
- 収納付きミラーやカウンター下収納を充実させて、使いやすさUP
チェックしてみよう!理想の洗面脱衣室づくりのために
家づくりは「なんとなく」では失敗しがち。
まずは自分や家族にとって、どんな空間が必要なのかを具体的にイメージすることが大切です。
以下のチェックリストをもとに、洗面脱衣室に求める条件を整理してみましょう。
ポイント:
チェックが多い=多機能空間なので、ゆとりある広さと収納配置が大切になります。
逆に、必要最低限に絞ることでコンパクト&ミニマルにまとめることも可能です。
洗面脱衣室は“家族のリアル”を反映する場所
実はこの空間こそ、家族の生活スタイルや価値観が最も表れやすい場所です。
・忙しい朝でもスムーズに支度できる?
・人の目を気にせずに使える?
・清潔に保ちやすい?
間取りは、設計士だけでなく「家族みんな」で考えるからこそ、後悔が少なくなります。
次で人気の脱衣室と洗面室を分けるメリット・デメリットを見ていきましょう。
安易に決めると後で変更効かなくて困ることになるのでしっかり説明していきます。
脱衣室と洗面室を分ける?その前に知っておきたいメリット・デメリット
洗面と脱衣を分ける間取りは、家族の多いご家庭や来客が多い方にとって非常に便利な選択肢です。
ですが、コストやスペース配分の面で後悔するケースも少なくありません。
ここでは、暮らしの中で感じやすいメリット・デメリットを建築士目線で整理してみました。
ぜひ検討時の参考にしてみてください。
メリット
- 来客時も安心:脱衣室を見られず生活感を隠せる
- 同時使用が可能:お風呂と洗面台を別々に使える
- 混雑回避:朝の渋滞が避けられる
- 収納を用途別に分けやすい
- 音ストレスが軽減:洗濯機の音が洗面側に響きにくくなる
デメリット
- 面積が必要:それぞれに最低2畳程度は確保したい
- コスト増:壁や建具が増えるため、建築費に影響
- スペースのムダになりやすい:実際に使うシーンが少ない場合、かえって非効率
- スキンケア動線が切れる:お風呂上がりにスキンケア用品を取りに洗面室へ…という不便さも
- 家事動線にひと手間:洗濯動線や掃除動線が複雑になるケースも
💡 コスト重視の方へ
トイレ横に手洗いカウンターがある場合は、洗面室を脱衣と分けなくても大きな不便はありません。トータルバランスで考えてみてください。
ワンポイントアドバイス:部屋を分けるなら脱衣室にスロップシンク(小さめでOK)を付けるとつけ置き洗いしたり、別で手洗いしたい時などに便利です。
まとめ|建築士として伝えたいこと
間取りを考えるときは、「住む人のことを一番に考える」ことが大事です。
SNSで見かけた素敵な家でも、あなたの家族に合うとは限りません。
やっぱり脱衣室と洗面を分けたいとなってリフォームするのはお金も時間も余分にかかってしまいます。
理想を叶えるためには、しっかり優先順位・大切にしたいことを考えること・情報を整理すること・プロに相談することがとても効果的です。
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次回は…
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をお届け予定です。お楽しみに!
更新はTwitterやThreadsでもお知らせ予定です♪