1級建築士が解説!後悔しがちな間取り5選とその対策【実例あり】

後悔しない家づくり講座
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間取りは一生モノ。でも意外と失敗は多い

家づくりは一生に一度あるかないかの大きなイベント。
その中でも、完成してから「もっとこうすればよかった…」という後悔が多いのが間取りです。

SNSで見た素敵な家を真似しても、実際の暮らしに合わずに後悔する人は少なくありません。

私自身、これまでに数多くの住宅を見てきましたが、「住んでみて初めて気づいた失敗」には、ある共通点があると感じています。

この記事では、1級建築士として実際に見てきた“後悔しやすい間取り”を5つご紹介します。
これから家を建てる方はもちろん、リフォームや購入を検討中の方にもぜひ知っていただきたい内容です。

後悔しやすい間取り5選

①リビングが通路になっている

一見よく考えられているようでも、玄関からリビングを抜けて他の部屋に行く動線は注意が必要です。

子どもが走り抜けたり、来客が部屋を横切ったり。
せっかくのリビングが「落ち着けない空間」になってしまいます。

さらに、広さによってはソファやダイニングテーブルをどこに置いても動線がかぶってしまい、家具の配置にも悩まされることに…。

✅対策:
廊下を短くしたい気持ちはわかりますが、望む暮らし方をみつめて「居室と通路は分ける」を考えるのもポイントです。


②収納が“なんとなく”で配置されている

「とりあえず広めにした」という収納スペース、実は使いづらいケースが多いです。

特によくあるのが「ウォークインクローゼット」。
スペースはあるのに、奥にある服が取りづらい・無駄な通路が多い、などの不満があとから噴き出します。

ファミリークローゼットも、動線が複雑だったり、家族の使い方の違いで結局“誰も使わなくなる”ことも。

✅対策:
「どこで使うモノか」、「何を収納したいか」を基準に、収納は“配置”が命です。


③玄関ホールが狭すぎて圧迫感

予算や床面積を削る中で、つい削られがちなのが玄関スペース

ですが、毎日使う場所こそゆとりが欲しいところ。
玄関ホールが狭いと、

  • 荷物の出し入れが不便
  • ベビーカーが入らない
  • 来客時に生活感がにじみ出る

✅対策:
コンパクトでも視覚的に広く見せる工夫(ニッチ収納・鏡・スリット窓など)を取り入れると◎


④トイレの位置が絶妙に気まずい

間取り図上は便利そうに見えても、実際には「気まずさ」で後悔されやすいのがトイレの配置です。

例えば、リビングやダイニングのすぐ横にトイレがあると、
来客時や家族間でも音や臭いが気になる場面が意外と多く出てきます。
お子さんがいる場合、今は良くても成長するにつれて問題がでてくることも。

✅対策:
壁を1枚隔てる、脱衣室や廊下とワンクッション入れるなど、心理的距離を意識して。


⑤採光の優先順位を間違えた

「南向きリビングだから明るい家になるはず!」と思いきや…
実際は隣の家の影で暗い、夏は暑すぎる、カーテンが閉まったままというケースも。

採光・通風・プライバシー・断熱、全てのバランスをとるのは簡単ではありません。

✅対策:
窓のサイズや配置は、周囲の環境(隣家・道路・方位)を前提に設計しましょう。
「大きければ正解」ではありません。

建築士が伝えたい“後悔しないための考え方”

間取り図はあくまで「完成予想図」ではなく、暮らしをシミュレーションするツールです。

図面上は良く見えても、実際の暮らし方・生活リズム・家族の性格に合っていなければ意味がありません。SNSで見た素敵な家を真似したくても、土地の条件が違ったら全然違う間取りになります。

ちょっと美容室に似てるかも。美容師さんに写真見せて「こんな髪型が良い」って伝えてもなーんか違う。
一人一人お顔が違うように、間取りにも一人一人、家族の個性が出ます。
「私に必要なものは何?」、「私が快適に暮らすにはこれはいらないんじゃない?」

是非、自問自答して、「自分ファースト」、「家族ファースト」の間取りを作ってくださいね。

そして、大事な事は盲点に気づくには第三者の視点が必要ということ。
自問自答してる間に、視野が狭くなってることも。
建築士や設計士など、経験のある人に一度見てもらうことで、「自分では気づけないポイント」が浮かび上がってきます。そのための専門家です。

上手に周りに助けてもらいながら、最高の家を手にいれましょう!

まとめ|間取りの後悔は、相談不足が原因かも

「もっとこうすればよかった」
そう後悔する人の多くは、自分の要望をうまく伝えられなかったことが原因だったりします。
私のお薦めはリストを作って可視化すること。リストに要望をまとめる。優先順位をつける。文字に書くと意外と見えてくるものがありますよ。

間取りづくりは「自分の暮らしを見つめ直す作業」。
後悔しないためには、建築士や第三者に客観的な目線でアドバイスをもらうことも検討してみてください。


今後は、住宅会社の選び方や、木造?鉄骨?RC?のメリット・デメリットなどちょっと気になることを建築士目線で紹介していきます。

次回は「工務店・ハウスメーカー・設計事務所の違いをわかりやすく解説」です!お楽しみに。



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なお、間取り診断そのものは行っていませんが、清書する過程でご家族の間で共有しやすくなり、試行錯誤しながらブラッシュアップするきっかけにもなります。デジタルデータにすることで家族観で共有でき、トライ&エラーを繰り返すことで良いものに進化させる。そんな最初の一歩に是非ご活用ください。

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